私、カミカラユウキは、大学のレポートというものを全く理解しておりませんでした。
優しい先生ならきっと大目にみて評価してくれると甘い考えでいました。
それに、もし、後で自主的に間違いを見つけたら再提出できるもんだと思ってました。

締切前なら再提出できる機能が追加されました!
(下記 1章-2「レポートルール2」2021/07/10追記)
大塚先生も『学生の最大のメリットは失敗することだ!』とおっしゃってた(と思う)。
まさしくその通りなので、今日はとにかく、大反省会の記事です!!!
今回の記事もめっっちゃ長いので目次使ってね。
あと、画像が多いのでWi-Fi環境やパソコンで閲覧することをお勧めします!
基本ルールのおさらい
これらの基本ルールは、どの科目にも共通して言えることなので忘れないようにメモしておきます!
シラバス、道標、設問を正しく読む
よぅーく読んでいたつもりでも、読んでいなかった。私の目はフシアナです。
以下、3つの必読項目があります。
シラバスの「成績評価の方法」
シラバスに「成績評価の方法」という項目があります。受講前になんとなく読んでそのままにしていました。
ところが、この「成績評価の方法」の項目に書かれている内容が、肝でした!
(長い目で見たらプロになるために)課題で高評価を狙うのが全てではないでしょう!と穿った目でシラバスを見ていたフシがあります。しかし、クライアントの要求を漏れなくヒアリングできているか?も、ある意味で、絶対的に必要なスキルなんです。それは、そうでしょう?(涙)



「シラバス」は受講前だけでなく、
課題前も要チェック!
授業コミュニティの「道標」
今日の今日まで気づかなかったのですが、講義動画の下に「授業コミュニティ」というボタンがあります。てっきり、生徒同士で挨拶するのに使う掲示板かしら、程度にしか思ってなかったのですが、
『授業への取り組みとは、授業コミュニティの活用』と成績評価の観点としても記載がありました。さらに、『授業の補足説明は必ず読むようにしてください。』って書いてるじゃないですか!!
また、『みなさんから同じ質問が複数あった場合には、適宜シラバスページに Q&A を作成いたします。質問の際にはまずそちらを確認してください。』とも記載があります。
今更ですが、その「授業コミュニティ」を見てみます。
道標の中に主任コメントで「コンシェルジュ宛に良い質問が来ていました。」と、質問内容と共に詳しい解説が書かれていました。たしかに、動画の中では触れていない内容でした(*1)。
ただし全員が投稿しているわけではない(全部で80投稿くらい/今回課題提出した人数は500名)、挨拶コメントが多い。入学時のオンラインガイダンスで授業コミュニティについてどう言及されていたか、あらためてガイダンス動画をチェックしたのですが、特に何も。え?んんー😥。具体的にどうしていいかわからなかったです。生配信の方のガイダンスでなんか言ってたのかな?



まさか、ここにきて、入学が遅れたハンデを追うことになろうとは!
SNSを通じて学友に聞くところによると、授業コミュニティは『授業に積極的』という評価に多少加味されるらしいのだけれど、掲示板は本名っていうのがハードル高い!私のようにペンネームで活動する者にとっては。
掲示板を読み進めていくと『授業内容に関するご質問に関しては、こちらの「広場」ではなく「科目ページのコンシェルジュ」の方からお願い致します。』という注意書きもあるので、やっぱり授業コミュニティは閲覧が基本、もしくは挨拶ツールとして使うってことで良さそうですね。いや、それでも私は本名を晒したくない。
課題の「設問」
いわずもがな、設問はよく読むのは当然なのですが、今回の課題でちょっとしたパニックがありました。その詳細は後述、考察5の段落で。
提出は1回限り →新機能!「提出取消し」
なんと、7月9日に新機能が追加されました!Web提出した課題の差し戻しが可能になります。


課題の提出は1回限りなんです!!!「再提出」というのは不合格だった場合のことで、期間中に何度もやり直していいっていう意味ではありません。この事実は、提出後に気づきました。
今回の課題はいろいろ失敗があったもののなんとかB評価をいただきました。つまり、再提出できません!!!



私は人柱。この失敗が誰かの役に立つ日が来る。
大学レポートにおける文章の書き方
大学レポートにおける文章の書式には列記としたルールがあるんです!ただし、今回のテーマに直接は関係なかったのと、レポート書式の話だけで記事一本書けちゃう内容なので、後日、別記事でUPします。
では、ここから、
実際の課題について考察していきたいと思います。
今回テーマにしている科目は「色彩基礎」です。
色彩を体系的に学ぶ「色彩基礎」
色彩感覚については、写真を多く扱う仕事柄、結構身についている方だと自覚しているのですが、逆に言うと体系的に学ぶ機会がなかったので、何をどう勉強していくのか楽しみにしていました。
まずは、担当講師のご紹介から!
しまざきジョゼ先生のご紹介
しまざきジョゼ先生は元々デザイン事務所にグラフィックデザイナー兼イラストレーターとして4年在籍された後、フリーランスのイラストレーターになったそうです。まさしく私の目指す道ですね(先生は私よりお若いのに…。)同業だったという以前に、ジョゼ先生の作品は元々、装丁などいろんなところで拝見しておりました。本のデザイン話はまた別の機会に。


失敗課題を考察
まだ「色彩基礎」の課題を制作していない方へ:
この考察を読むことで予期せぬ固定概念や誤解が生まれてしまう恐れがあるので、ここから先の閲覧はオススメできません。
あくまで、私個人が自分のために課題と向き合ってる考察なので、ご理解ください。
すでに採点評価をいただいてしまったので課題の再提出はできないのですが、全体総評と添削コメントをよく見て考察し、わたしの至らない点を改善していこうと思います。総合評価は残念だったけど、項目別評価もあるので、このあと細かく見ていきます。ちなみに、添削は講師のしまざきジョゼ先生ではなくて別の先生です。
評価の内容
詳細は学外に公表してはいけないルールなので(*1)内容はかなり端折ります。
考察に必要な最低限の情報になりますが、今回の評価は以下の通りでした。
添削いただいた内容を私なりに解釈すると(*1):
テーマに沿って描けているが、絵が平面的。参考作品のように遠近法などをもちいて立体感が出ると良い。
2021/09/30追加編集:評価観点の詳細は削除しました。
参考作品
私が参考作品として挙げたのは、ブルーピリオドの山口つばさ先生が描かれた、竹宮ゆゆこ先生著「あなたはここで、息ができるの?」(新潮文庫) の装画です。山口先生がTwitterでシェアされていた内容を引用します。(2020年4月18日掲載)


なんて美しい。
実際の課題では帯を取った状態の表紙の絵を参考作品として色彩分析を行なっています。
課題作品
そして、私の提出した課題作品はこちら。


私がいつもやりたいと思っている「本の表紙」というテーマを自分に課して、作品作りに取り組みました。
タイトルは、淡い薄明の世界で惹きつける瞳。
初の「風景」(と言っても、背景のわずかな面積)を描きました。なんか、ちょっと恥ずかしい。
考察(1):キャラクター設定
女の子の髪型や服装が参考作品と完全に一致しちゃっていますが、これは言い逃れできません。
描いている時から『キャラかぶりはマズいかもなぁ〜』と思いつつ、どうしても薄明を描きたくて、その世界にいる女の子は薄着で髪の毛がファッサーっていうので描きたかった。この強情っぷりに、反省。
シチュエーションが最優先ということ自体は問題ではない。ただ、もっとキャラ設定は掘り下げてもよかったかな。
例えば、黒髪の反射。オーガンジーの透け感。サイバーチックに光るアイテム。などなど。
考察(2):他の配色の可能性
ラフの段階でいろいろ配色は試していました。しかしラフの工程は課題提出に求められていないので、レポートにもっと詳しく記述する必要があったかもしれません。このあたり、そもそもシラバスをよく読まなかったせいでもありますね。








制作当時のラフ(4点とも)
瞳と髪の色の相性も悩みました。悩んでいた当時、「私はこの絵で何を伝えたいんだ?」という原点に戻りました。
・本の表紙にしたい(文字が入るという設定)
・薄明であること(日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄明るい時のこと。Wikipediaより)
・太陽より瞳へ一番に視線誘導したい
そんなことを考えている間、しまざきジョゼ先生が講義動画の中で「本の表紙」でテキストを入れるための配色、といっていたのを思い出し、トーンがまとまっている方が文字が入れやすいよな〜ってことで、瞳以外の配色を背景に近づけていきました。ツインテールの髪留めの色すらも馴染ませちゃった。
結果論になっちゃいますが、こういう↑制作当時の考察が甘かったと言わざるを得ません。考察3に続きます。
考察(3):髪の毛や肌の塗りが平面的
- そもそも、参考作品の分析を活かせていないのがマイナス評価の要因ではないだろうか?
- 本の表紙という設定は脇に置き、単に一枚絵として見た時に人物が背景に溶け込みすぎ?
以上の仮説を前提に「塗り」を考察します。
参考作品の背景とキャラクターの関係は、対照性を感じさせる中差色相配色。しっかりキャラクターが立っています。


私が配色で譲れなかったのは、背景の「薄明」の紫〜ピンクのグラデーション。この中にキャラクターを馴染ませる類似色相配色で仕上げてしまったのですが、瞳だけでなく、髪や服の配色をもっと試してみる必要があったかもしれません。例えば参考作品のように、髪に対照色相配色のメッシュを入れるような。


2021/06/24追記:参考作品を分析した内容の詳細は、課題そのものなので全部は掲載できませんが、概ね下図のような分析をしています。(ブログ掲載用に少し改変しています。)


もっというなら、塗り方次第では、類似色相配色のままでもうまくいったかもしれません。山口先生は油画ご出身なので、髪や肌の塗りひとつとっても複雑な色が混ざっています。私のは「アニメ塗り」ですが、だとしても、もっと塗り方にやりようはなかったのだろうか?
と、いうことで塗りの検証。自分の過去作品をまず振り返ります。過去作品で唯一、塗ってる最中に色の効果が自分の想像を超えた作品です↓KUA入学前はファンアートしか描いたことがないので、一応、記事末に注釈つけます(*2)


この二次創作を描いた時に発見したことがあって、当時、私は厚塗りをやってみたくてもやり方がわからないという理由でアニメ塗りの延長で、色を乗せる(混ぜるというより乗せる)ってことをやってみました。
特に、髪の塗りがわかりやすい。拡大図↓


一番濃い影色のレイヤーを非表示にするとわかりやすい。髪の中にいろんな色を乗せてます。キャラの背景にある炎や水の色が髪に反射してるっていうイメージなのだけれど、いざ塗り始めたらいろんな色なのになぜかそれが立体的に見えて、結果的に肌の反射光以上に髪の中にいろいろ混ぜちゃってる。あ・・・立体的ってこういうこと?
情報量が多いとそれだけイラストがすごく見えそう。っていう感覚はある。ただ、闇雲に色数を増やすのはプロのやることじゃないだろうし、だから、もっと勉強したい。油画とかも、やった方がいいのかな?
フラットな肌はすごく苦手っていう苦労の跡↓


輪郭や影になる部分はまだマシで、ほっぺたどうしようってかんじ(涙)
考察(4):プロの塗りを観察
自分の過去作品だけじゃ考察が深まらないので、プロの塗りも見てみました。


画集ほぼ全部持ってる、大好きな米山舞先生の絵。ほっぺたのあたりを注目してみてみると水のような反射やまつ毛の影などたくさん描き込まれています。あと、そもそも髪の毛や、手前には気泡のようなものも重なってます。全体的に粗めの粒子が乗ってて、銀塩写真のような質感も感じますし、ところどころ線画の色トレスや色収差があって、次元が複数に重なっているというか、たぶん、色収差がない顔の中央付近が余計に目を引くんじゃないかと。色収差って一種のボケみ、みたいなもんですかね。まつ毛は締まってみえますが、全体のトーンは近いもの同士。一枚絵として成立するのはやっぱり、米山先生のセンスの賜物なんでしょうかね〜。
色収差について少しおさらい。カメラのレンズを開放する(=被写界深度が浅くなる)と出てくる現象で、やっぱボケみと関係ありますね。


紅木先生の作品は水彩塗りが特徴で、このイラストなんかは水彩の滲みがうまく機能しているんだな〜と思いました。前髪の滲みなんてもう影のような役割も感じます。ほっぺたは書き込みがないけどその他の部分で情報量が多いのでバランスなのかも?でも、首や手の影、線画の色トレスなんかをみると、けしてフラットではなくやっぱり立体感がある。なるほど〜太めの線画に色トレスかぁ。水彩のタッチっていうんですかね、ブラシの質感も情報量として積み上がってる気がします。あ!っでも、背景はまじりっけなしのフラット単色。なるほど、背景をあえて切り離すと、キャラクターが立つし、飛び出す絵本のような世界観になるんでしょうか。背景の緑と対照的なピンクのフードの反射光も不思議な世界観に結びつきます。
考察(5):コンセプト設計
話を課題に戻します。
そもそも、参考作品と、描きたいと思ってた世界観に、開きがありすぎたのがマイナス評価の最大の要因だと考える。それが前述の「レポートルール:1」にある「パニックが起きた」という現象。
つまり、描きたい世界観が薄明だとはっきりしていたのなら参考作品も薄明の絵を持ってくるべきだった、のです。
参考作品の分析から、自分自身の課題制作までの間に数日間(数週間だったか)のタイムラグがあり、すっかり「参考作品の分析をふまえて自分のコンセプト設計をする」という段取りが抜け落ちていました。
何をどうしたら、そんな大事な工程が抜け落ちるんだ?と不思議に思うかもしれませんが、これ、本当に起きた出来事なのですよ。コンセプト設計に取り組み始めた時は『分析結果のどこをどう汲み取ればいいんだろう?』とパニックに陥りしばらく手が動かなくなりました。結果、参考作品の分析結果の「一部」だけを取り入れた形になりました。



あらかじめ2つをまとめて俯瞰した設計図を用意しておくか、必要であればどちらかをゼロからやり直す覚悟で、最後は向き合わなくっちゃ。
考察(6):遠近法とは
あまりにもわからなかったので、コンシェルジュに「遠近法ってなんでしょう?」という質問を送ってしまったのですが、当分、回答が返ってこない可能性もあるので、自力で考察します。
色彩における「遠近法」について、そのものズバリの「色彩遠近法」の定義は以下の通り:
色彩遠近法 しきさいえんきんほう
武蔵野美術大学 造形ファイル(2021年6月24日閲覧。※引用元はSSL/TLSを利用していないので閲覧には注意が必要です。)
Color Perspective
色彩遠近法は、色の持つ心理的な作用や視覚的な効果を利用した空間表現法です。色彩は主に暖色と寒色に分けられ、暖色系の赤や黄などは、前方に迫り出してくるような圧迫感を与えます。一方、寒色系の青などは、後方に向かって吸収されていくように感じます。こういった色彩が人間に与える視覚・心理的特質を利用し、それぞれの色彩を変化や対比させることで、遠い近いなどの空間を表現する方法です。(以下、省略)
確かに、私が参考作品として挙げた山口先生のイラストは『背景が寒色、人物が暖色』である。
添削いただいた先生はこのことを言及されたのだろうか?確かに暖色で塗られた人物が浮き出て見えるけれども、私がテーマにした薄明という世界観において、寒色と暖色の塗り分けが果たして可能かしら?
早速、プロの絵で考察してみます。
マレーシア出身のアーティスト、Karmen Lohさん。
まずは1枚目。空に大きなエイの群れが飛んでます。空は紫、雲はピンクなので、おおよそ私の課題作品の空と同系色なのですが、空の紫は青みが強いですね。海もはっきりと水色が強くて、対照的に砂浜は赤みが強いです。空飛ぶエイも手前のバス停も暗くて青い。明度の差もありますが、ピンクの雲以外はほとんど引っ込んで見えます。
2枚目の絵も背景は青に傾いた紫です。メインの女の子は、髪の毛がピンク、線画の色トレスも赤みがつよいです。頭頂部は青みが強いかなと感じますが、よく見ると青の中に赤みの反射光が入っていて、なおかつ、頭の乗ってる雲型の髪飾りや色の濃いサングラスのおかげで頭頂部だけが違和感を持つことはなくなりました。おそらく胸元の水色も一役買ってそうです。
これらの絵からわかることは、薄明の世界観でも同系色だけでまとめすぎず、締めるところは締める。寒色と暖色の塗り分けに明度の差も加えてメリハリ(コントラスト)をつけた方が絵としての質が上がる、そんな気がします。
続いて、新海誠監督「君の名は。」のワンシーン。劇中では黄昏時を「カタワレ時」って言ってました。
カタワレ時とは夕方、太陽が沈みきるちょっと前くらいの頃なので、画面の上の方はすでに青み(=夜)がかっています。地上が青っぽいのは夜空の影響が強いってことでしょうか。中央の湖面はまだ明るい太陽側の空を映しています。肝心の人物はほとんど逆光の影になっているのですが、肩のあたりに回り込んでいる光が赤く射しています。また、人物のちょうど背面にキレイなグラデーションの雲があって、手前には霧がかかっています。以上のことから、物体(重量のある人物や地上)は青で、対照的に空気のように軽いもの(雲や霧)には赤みが足されているということがわかりました。
こんなに青が入っているのに、記憶に残っているのはピンクとか紫、なんですよね。
(2021/06/24追記終わり)
*1:授業内容や課題の詳細は公表できないルールなのでごめんなさい。©京都芸術大学ガイド『著作権について』
*2:ファンアートの取り扱いについて→「ガイドライン」参照
引用元の©表記はSNSアカウント表記に代えて省略しています。ご了承ください。